いきなり運動するのは、なぜ危ないの?

いきなり体を大きく動かすと、まだ筋肉や関節が十分に動きやすい状態になっておらず、急な踏み込みや方向転換、しゃがむ動きにうまく対応しにくくなります。

その結果、足首をひねったり、ひざに負担がかかったり、太もも裏やふくらはぎを痛めたりすることがあります。

アメリカ心臓協会は、運動前に5〜10分程度のウォームアップを勧めています。
いきなり本気で動くのではなく、少しずつ心拍数を上げて体を動きやすい状態にしていくことが大切だとしています。

また、米国整形外科学会(AAOS)も、冷えた筋肉はいきなり伸ばしたり強く使ったりすると傷めやすいとしていて、ストレッチの前にも軽いウォームアップが必要だと案内しています。

特に普段あまり運動していない人、久しぶりに体を動かす人、体験会で初めてラケットスポーツをやる人ほど、最初の数分を飛ばさない方がよいです。

実際、けがはどんなところに多いの?

アメリカの救急外来データをもとにした研究では、ピックルボール関連のけがは年々増えており、特に50代以上で多く見られたと報告されています。

けがの部位は、足首・膝・脚などの下半身だけでなく、手首や手、肩や腕、体幹まで幅広く見られます。

実際によくあるのは、急停止や方向転換による足首・膝のトラブル、ウォームアップ不足の状態で起こるもも裏の肉離れ、転倒時の打撲や骨折などです。

特にピックルボールは、

・横にすばやく動く
・急に止まる
・一歩前に踏み込む
・低い球に反応してしゃがむ
・とっさに手を出す
という動きが多いので、見た目以上に体へ負担がかかります。

「ちょっと経験してみるだけ」のつもりでも、
久しぶりの運動だったり、準備運動なしでいきなり動いたりすると、足がもつれたり、踏ん張った瞬間に痛めたり、転んだときに手をついて大きなけがにつながることもあります。

じゃあ、どんな準備運動をすればいい?

まずはコートの中を軽く歩く
いきなり打ち始める前に、まずはコートの中を軽く歩いてみます。

・ラインの位置を確認する
・ネットまでの距離感をなんとなく覚える
これだけでも、体が少しずつ動きやすくなります。

特に初心者は、コートの狭さや広さの感覚がまだ分からないことも多いので、最初に歩いておくだけでも安心感が変わります。

足首・ひざ・股関節を軽く動かす
次に、下半身を少しずつ動かしておきたいです。

ピックルボールは急に止まったり、横に動いたり、低いボールに反応したりするので、足まわりの準備はかなり大事です。

たとえば、

・足首をゆっくり回す
・ひざを軽く曲げ伸ばしする
・股関節を大きく回す
・その場で軽く足踏みする
このあたりを軽くやるだけでも違います。

小さく横移動してみる
ピックルボールらしい準備としておすすめなのが、小さなサイドステップです。

反復横跳びのように激しく動く必要はありません。

ひざを軽く曲げた状態で、ピックルボールの構えを意識しながら、右に2〜3歩、左に2〜3歩だけ小さく動いてみるくらいで十分です。

ボールの弾み方に慣れる
初心者は、まずボールの弾み方に慣れることも大事です。

・ボールを軽く床に落としてみる
・どのくらい跳ねるのか見る
・スピード感をつかむ
ピックルボールのボールは、テニスボールとも卓球ボールとも少し違う感覚があります。

先に少し触っておくだけで、「思ったより跳ねる」「意外と軽い」みたいな感覚がつかめます。

パドルを持って軽く素振りする
いきなり強く打つ前に、まずはパドルに少し慣れておきましょう。

このとき大切なのは、手首だけで振らず、腕全体を使ってやさしくコンパクトに動かすことです。

①体の正面で、パドル面を安定させたまま軽く動かす
②フォア側、バック側をゆっくり動かしてみる
③肩や肘に力が入りすぎていないか確認する
まずは、パドルの重さや長さ、腕の動きに自然になじむかを確かめるだけで十分です。

最後に短い距離でゆるく打つ
準備運動の締めとして、いきなり強打ではなく、短い距離でゆるく打つのがおすすめです。

・近い距離で軽く打ち合う
・コントロールより感覚重視
・強さより「当たる感じ」を確認する
ここでやっと体も目も少しずつ慣れてきます。

最初の1球目から本気で打つより、こうやって少しずつ上げていく方が安心です。

ピックルボールは「気軽に始めやすい」のが魅力ですが、その楽しさをちゃんと味わうためにも、最初の数分は飛ばさないでほしいです。

少し歩く、軽く体を動かす、パドルやボールに慣れる。

そんな小さな準備だけでも、安心感や動きやすさはかなり変わります。

せっかくなら、痛かったで終わるのではなく、「またやりたい!」と思えるスタートにしていきたいですね。